2015年 06月 08日
山。 |

山に暮らすか、川に暮らすか、
これはアラスカで良く話されること。
山の中に住めば、山火事に遭い家が燃えてしまう恐れがある。
川のそばに住めば、雨で形を変えた川にいつか家が飲まれてしまう恐れがある。
だからどっちにするにしても、
リスクの選択をしなければならない。
これはアラスカに住む友人の兄、
ベン・シーファートの言葉。
日本に住んでいると
そんなリスクまで考えなくても良いけれど、
そこまで自分で考える生活も嫌いじゃない。
シーファート兄弟は大都市シカゴの出身。
7人兄弟のうち6人がアラスカに移り住んだ。
その中のブラッド・シーファートとは大学時代の数年間をハウスメイトとして暮らした。
ブラッドの目標は、大学卒業までに自分の荷物を愛車のシボレートラックに積めるまでに減らすことだった。
そして卒業時には、ソファーをはじめ全ての家財道具を村長に託し、
トラックに積めるだけの荷物と
助手席に愛犬ハンマーを乗せてイリノイからアラスカに向かって行った。
ベンはシーファート家の長男。
その頃既にイリノイの大学を卒業して
アラスカで山火事専門の消防士をしていた。
学生時代に一夏バックパッキングでアラスカをまわっていた時に、そんなベンを訪ねたことがある。
ベンはグレンナレンという小さな町の、
森の中にログハウスを建て住んでいた。
そして家の脇には川が流れていた。
曰く
『家を建てたときにはずっと遠くを流れていた川は、毎年の雨でどんどん近づいてきて、今はキッチンの窓から竿を出せば、家の中から釣りが出来る距離までになったよ。
俺は山火事のリスクを選んだのに、
今じゃ山火事と洪水両方のリスクにさらされている。人生わからないな。』
と言って笑っていた。
都会を除き、アラスカの若者たちは
いつか電気と水道のある家に住むぞ!
と思いながら小さなログハウスに住んでいる者も少なくない。
当時ベンの家にも水道が無かった。
なので定期的に町まで100リットルは入るであろうタンクをトラックに積んで、
町まで水を汲みに行っていた。
そのタンクを家の梁に乗せて、
そこから引っ張ったホースから大切に水を使っていた。
アラスカの川は氷河から流れてくるので、
粒子の細かい土を含み白く濁っている。
その土の粒子のために、濾過しないと飲み水にはならない。
なので、町まで汲みに行った方が早い。
そんなベンな春先に大きなヘラジカを仕留めていた。
自分が食べる最低限の肉を残し、
あとは近所(と言っても広い範囲に点在している)の皆さんにあげていた。
『この寒い土地ではみんなで助け合っていかないと生きていけないんだ』
物質的には何でもあるわけではないけれど、
精神的には裕福な暮らしを送っていたベンも、今は家族を持ちアラスカで暮らしている。
ベンの話はまだまだあるけれど、
長くなったから今日はこれでおしまい。
村長、今日は東京で会議。
大都市東京を思い浮かべたら、
何故だがアラスカのベンを思い出したのでした。
by kimi0921cfd
| 2015-06-08 05:21
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